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DS 3 CROSSBACKってどんなクルマなの?

DRIVE REPORT

「ひとことで言えば、とても美しいSUV。この繊細なボディカラーはイネスであればこそでしょう──」

一線で活躍するモータージャーナリストの藤島知子さんは、発売されたばかりの特別仕様車 DS 3 CROSSBACK INES DE LA FRESSANGEに試乗した後にそう話してくれました。「イネス・ド・ラ・フレサンジュ」とのコラボでメイクされたスペシャルなパリ車。女性だからこその目線と感性で、その麗しさの中身をていねいに探していきましょう。

「ひと目みて、専用色という平凡な定型句におさまらないスペシャルなボディカラーにまずグッと惹きこまれました。

夕方から夜にかけてのシチュエーションでは落ち着いたトーンのブルーに見え、晴天の光のもとではなんとも言えない深みのあるパープルに見える。しかもその塗装の深部にはキラキラと輝くブルーのラメフレークが散りばめられています。……言葉で言い表すのがむずかしい、特別なボディカラーですね(笑)」

「イネスというブランドの“らしさ”がはっきり主張されているのが、このドアミラーの色づかいです。

コーラルカラー、と表現すればいいでしょうか。こういった差し色は、上品にまとめるのが本当にむずかしい。スポーティ路線やアグレッシブに見せたいときは鮮烈なレッドやブラックをアクセントカラーとして採り入れるクルマをよく見かけますが、イネスのようにどこかエレガントでハッとするほど全体を引き立てるコーディネートとなるとがぜんハードルが高くなります。

こちらはそうしたポイントカラーを足もとのホイールにまですべりこませている。そのデザインセンスにはため息が出てしまいます」

「内装、エレガントにもほどがあります(笑)。ぜひ見て、触って、感じてほしい。特別仕様車としてここまでこだわり抜くものかと、驚かされてしまうはずです。その隙のなさ、高い洗練度には、日ごろからたくさんの新型車を試乗するわたしでも唸ってしまうほどの素晴らしい出来映えでした。

DS 3 CROSSBACKは、フランス、パリからインスピレーションを得たプレミアムブランドであることをはっきりとアピールしているのですが、とくにインテリアにはその主張が強く込められています。

たとえばダッシュボードやドアトリムには、イネス限定カラーの赤いステッチ入りのアルカンタラ®が贅沢に貼り込まれていて、その仕立ての良さに気持ちが高揚させられます。深めのブルーグレーと赤いステッチの組み合わせには、パリのファッションアイコンであるイネス・ド・ラ・フレサンジュのセンスが存分に表現されているのです」

「運転席に着座してすぐに目に飛び込んでくるのは、ひし形を5つ組み合わせたインストゥルメントパネルの幾何学デザインだと思います。外周に配されたサテンメッキの質感が、外装にも散りばめられたクロームメッキとの共通性を感じさせてくれて、ひとりうなずいてしまいました。

センターコンソールの左右に収まるスイッチ類には、パリのヴァンドーム広場の石畳を表現したクル・ド・パリ(ギョシェ彫り)が採用されています。ボディの内外、各所にあしらわれたサヴォア・フェール(パリの美学)に、イネスの魂が宿っています」

「室内のシートを見てください。専用織加工が施されたファブリック/アルカンタラ®/テップレザーシートの3種のマテリアルが繊細に組み合わされた、とても凝ったデザインのシートなんです。とくにファブリックは近寄って見ると分かりますが、赤白青のトリコロールカラーが忍ばせてある。そのさりげなさに好感が持てます。

見た目の良さを優先したのではなく、その座り心地もやわらかくかつ芯のしっかりとしたものなので、ロングドライブも快適に過ごすことができる。これもDS 3 CROSSBACKならではのポイントですね」

「コンパクトSUVに分類されるDS 3 CROSSBACK。パッと眺めた時に『これは大きいクルマなの? 小さなクルマなの?』と感じるかもしれません。いい意味でクラスレスなサイズ感が型にハマらなくて面白い。大きいくくりで言えば少しだけ背が高いコンパクトSUV……いや、どちらかというとハイセンスで小さな高級車というカンジでしょうか。

視点が高いので運転中の見晴らしがいいですし、130馬力を発揮する1.2Lのターボエンジンはリズミカルに走ってくれます。しっとりと路面を捉えるタイヤの感触、それでいて、ドライバーがクルマと意思疎通を図りながら走れる愉しみも与えてくれたりする。そうそう、小回りも得意なので、プレッシャーを感じやすいせまい道や車庫入れで気さくに向き合えるところも嬉しいですね!」

「ボンネットの左右部分がグラマラスに盛り上がっているので、車幅感覚がつかみやすいのも安心です。コーナーセンサーやバックカメラなど死角を補う機能が標準装備されていたり、事故のリスクを減らしてくれる先進的な運転支援機能が搭載されている点も、運転に不慣れなドライバーの不安をきっと減らしてくれるでしょう。

クルマとピタッと息を合わせて走れることが安心感と愉しさをもたらし、行動的な自分になれる──そんな気持ちにスイッチしてくれるフレンドリーさにあふれているのが、新型DS 3 CROSSBACK INES DE LA FRESSANGEの魅力だと思います」

PROFLE

藤島 知子 | Tomoko FUJISHIMA
子供のころから大好きだったクルマをそのまま仕事にしてしまったモータージャーナリスト。2002年のレースデビューとともに並行して執筆活動もスタート。こまやかな行き届いた視点で国内外数々の新型車に接し、多くのメディアで試乗レポートを展開している。日本自動車ジャーナリスト協会会員、2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。